卵「割らないでェェェェ!」
しかし無情にもホモサピエンスの十本の指は哀れな被害者卵の最後の砦・卵殻をシンクでぶちわった!
哀れな卵は重力の法則にしたがい(アーイザック・ニュートーン!! ひゃっほう!)二十センチ落下、ボトム・オブ・フライパンに着地した。安心したのもつかの間
卵「かきまぜないでェェェェ!」
しかし無情にもホモサピエンスの勢力下にはいったザ・菜箸は狂ったように黄色い物体を微塵に切ってゆく。あまり火が強すぎるとこの時点で焦げる。何回も実証済みだ。
卵「お米入れないでェェェ!」
多感な思春期の頃部屋にずかずかと入ってきた保護者への気持ちを思い出してほしい。そんな感じでザ・あきたこまちはほかほかふっくら輝きながらなだれ込んできたのである。
卵「茶色いの入れないでェェェェ!」
そろそろ卵も声が枯れてきてその声はホモサピエンスには聞こえない。力なくうなだれた卵の間を調味料が駆け抜けていく。絶望のうちにたった五分で彼らは昇天したのだ。これがオムライスならそう落胆もしないだろうがチャーハンでは卵がメインのはずもない。