三島由紀夫「金閣寺」読了
このへどもどした小説の何について感想を言えばいいのか分からないけど 話の内容は読む前から分かっている小説なだけに、読者の関心は「どうして燃やしたのか?」という疑問に尽きる。新潮文庫の解説者は三島は東大法学部出身で三段論理の上手な人であった…と言っているが、どこらへんが理論だっていたのか よくわからない。
吃りというコンプレックスを抱えた「私」にとって美の結晶たる金閣寺への執着は分かる。
その執着がいつから憎しみに変わったのか。憎しみで燃やそうとしたのか。燃やすことで完全に一つになろうとしたのではないか。そういう感情の一つ一つを懇切丁寧に説明しようとしたのは分かる。でも納得できないのは、思想を行動に移そうとするときに、まるで吃りのようにある時は金閣の幻想が頭の中に浮かんできて脱童貞を阻害し、ある時は金閣と心中しようとしたにもかかわらず火事場から逃げ出す。そういうところが大っきらいなんだよ!!!
小難しいこと並べたてやがって要は臆病だから金閣を理由にして逃げてきただけじゃないか。悪事を重ねて老師に放逐されるのを待つなんてひきょう者もいいところだぞ顔出せ張り倒してやる!
しかし何度か読めば理解できるのかもしれない。それこそ文学の神髄。たった一度流し読みした程度で分かる本なんざ文学と呼べるか 否 そういうことなのですかね。
「なにこいつコンプレックスの塊」
「ハンディ持ってる人同士仲良くしてはるわ」
「こんなに好きなのにどうして燃やしてまうんやろ」
「知らん間に燃やす気になっとる」
「はよ燃やせやぁあ」
「はよぉお」
「燃やす前に色街wwwワロスww」
「逃げたwwwwwwwww」
「終わったwwwwwwww」
こんな経緯です。水上勉の「金閣炎上」も読んでみるとより理解しやすいのかもしれない。
実際に起きた事件だそうだしな。人の心はそう簡単には分からんよ。
今日はゼミ飲みでした。研究室で酒飲んだだけだけど。お寿司とピザごちそうさまでしたー