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1990/5/28 Tokyo University of Foreign Studies
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2009年7月21日火曜日

川端裕人

…という、作家さんがおられる。今45歳くらいかな。いいね、作家としてはブイブイ言わせてる(?)頃だね。
とても好きな作家さんです。「1Q85」だかなんだか、出してる作家は好きになれない。なんか読んでてわけわかんない。ねじまき島クロニクルで挫折したのかな。
それはともかく。
略歴は東大教養学部(すごい気になる学部)出身、新聞社勤務、後にフリーとなって作家生活を送る、と。
この人のいいところは、扱うジャンルが非常に多岐に及んでいることです。

一番最初に読んだのは「銀河のワールドカップ」っていう、少年サッカーの話。とりあえず藤枝東にいるんだからサッカーに興味でも持てたらいいなと思って読んだんだけど、これ面白い。
「トラップ」とかいう専門用語(???)が出てきて、そのへんはちんぷんかんぷんなんだけど、それでも読み通せてしまう。
そのほか、スペースロケット、恐竜の化石、ネットゲーム、マネーゲーム、となんだかとても面白そうな話題をとても詳細に調べ上げて、それでいて面白く、初心者にもわかりやすい本になっているわけです。

今読んでるのは「エピデミック」っていう、日本で正体不明のウイルスが感染爆発したらどうなるんやろ、っていう話。疫学っていう分野に立ち入ってるわけですね。よく知らねーが。

この人の本を読んでいて気持ちがいいのは、あとがきです。みんなちゃんとあとがき読んでますか。いしいしんじさんなんかは全くあとがきを書いてくれないんですが、そこも本の一部なのであたしは、あればあとがきは読みます。
川端さんは、毎回いろんな人に取材をして、そうして話を構築するので、その人たちに謝辞をするわけ。それで、こんなにいろいろな人に話を聞いてはいるのですが、その内容が必ずしも作品に影響しているかというと、そうではないと断りを入れて、「作品上の誤りはすべて作者の責任です」と書いてあとがきを終えるわけです。

この謙虚な感じがたまらなく好き。

えらそうな推理小説作家っているじゃん。「解けるもんなら解いて見やがれ」みたいな。そういうのと全然違うわけ。もちろん新幹線に乗っているうちに読み尽くせるような推理小説でもないしね。
そして高慢な作家に限ってなんか話がちぐはぐな。個人的にひとり思い当っているんだけど、まぁ名前すら思い出せないし黙っておこう。なんだかまたこれ批判だな…

この夏に、川端さんの作品を読んでみてはいかがでしょうか。
この人の本に出会って、「あー東大行きたいなー」と思った。が、24時間後にはあきらめていた。

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